変わらないものなんてない。確かなものなどない。

今まで出会ってきた人も、眺めた風景も感じたおもいも、

同じ瞬間は二度とない。

あたしはいつも考える。

この前あんなに優しかったから、今日もそうだとは限らない。

人は変わってしまうもの。

そんな時、あたしの気持ちが変わらず続いていることは棚に上げておく。

・・

だって、信じることは苦手だ。

信じたものが次の瞬間には変わってしまって、

信じたあたしの心だけ、そこに取り残されてしまうのが嫌だから。

あたしの心は増えない。

かけらをあちこちに置いてしまったら、いつかなくなってしまう気がする。

・・・

疑うことを知らない。

そうして何度悲しい思いをしただろう。 危ない目にあっただろう。

けれど、疑うなんて失礼だ。

世の中そんなに悪意ばかりじゃないと、あたしは思っている。

矛盾している? ううん、そうではないの。

信じることも疑うことも、意思の力が必要だ。

信じないことも疑わないことも、どっちも「しない」のだ。

間違った答えを出したんだって、あとから気がつくくらいなら、

問題には答えないで流れに任せるほうがいい。

・・

本当は信じたい。 誰かのことじゃなくて、自分が出す答えを。

だけど、無くすことがこわい。増やさなければ、失わずにすむと知った。

いつも、選びながら後悔し、踏み出しながら諦める。

・・・

留まることが前進で、進むことは諦めることなのかもしれないな。